2010年12月16日星期四

2010年12月17日(金)付 国鳟鱼归来

2010年12月17日(金)付 国鳟鱼归来

 山奥に分け入った猟師、谷川を流れ来る塗り物を見つけ、まだ奥に人の営みがあったかと驚く。隠れ里の伝えである。平家の落人がひっそり暮らしていたといった話は各地にある。そんな伝説が魚の写真に重なった▼

看见从山谷河流流过来的漆器,闯入深山的猎人惊异道难道深山里面还有人生活吗。这是隐者村庄的传说。各地都有平家的逃亡者隐秘的生活着的传说。这样的传说和鱼的照片重合在一起。

絶滅したはずのクニマスが、山梨県の西湖(さいこ)で生き延びていた。秋田県の田沢湖だけにいた魚は、70年前の導水工事と酸性化で死に絶えた。工事の5年前、西湖などに卵を放流した記録が残っており、難を逃れた一族が富士の懐でひそかに血をつないでいたらしい▼

本应该已经灭绝的国鳟鱼,在山梨县的西湖还生存着。曾经仅仅生存在秋田县田泽湖的鱼,因为70年前的导水工程和酸性化的原因灭绝了。工程的五年前,西湖等处流放鱼卵的记录还保留着,逃过劫难的一族在富士的怀抱下好像血脉还在继承者。

魚類に詳しい人気者、さかなクンのお手柄だという。旧知の京大教授からクニマスのイラストを頼まれ、参考用に集めたヒメマスに奇跡が紛れていた。類は友を呼ぶ、である。人の都合で葬られた魚の「再発見」に、少しばかり救われた▼

(国鳟的发现)详细了解鱼类的偶像级人物,鱼先生的功勋。他的老朋友的京大教授请他画国鳟鱼的插图,在参考用收集的红鳟鱼中,国鳟奇迹般的混杂进来。这真是,人以类聚啊。因为人类的原因而灭绝的鱼的"再发现",稍微有点被拯救之感。
※さかなクン:宮澤 正之(みやざわ まさゆき)

絶滅の恐れがある動植物を網羅したレッドリストは、いつも悲しい方向に改訂されてきた。明治末に絶えたニホンオオカミなど、剥製(はくせい)や標本があればいいほうで、多くが何も残さずに消えている▼

罗列有灭绝危险的动植物的红名单,总是向着悲伤的方向被改订。明治末期灭绝的日本狼等,有剥制啦标本啦的还好,很多多是没有留下任何东西就消失了。

永遠の美を欲し、村娘が竜と化す田沢湖の辰子姫(たつこひめ)伝説。変わり果てた姿を嘆き、母親が湖面に投げつけた松明(たいまつ)は魚になる。なぜこの湖だけなのか、素性がはっきりしないクニマスにふさわしい伝承である▼

希望得到永远的美丽,村姑化龙的田泽湖辰子姬的传说。感叹变化之后的外表,母亲向湖面投下的火把变成了鱼。为什么单单是这个湖呢,对于来历不明的国鳟鱼来讲却是比较合适的传承。

地元の直木賞作家、千葉治平(じへい)さんは生前、「北海道に放流してやれば深湖魚として生き残ったかもしれない」と、その絶滅を惜しんだ。ご安心を。松明はどっこい燃え続けている。人の手で異境に移されたことは、この種に限っては幸いだった。そのねばりに報いたい。

当地的直木奖作家,千叶治平先生生前,曾对它的灭绝惋惜道,"如果放流到北海道,或许会成为深湖鱼残存下来"。 请放心吧。火把还猛劲的继续燃烧着。因人之手被转移了环境,仅有这个种类是幸运的。真想酬谢它的顽强不息。

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